感染管理部門は、患者さん・ご家族・職員を感染症から守るための感染予防策や感染症にかかった時の治療や拡大防止などに関わる部門です。当院は透析中や腎移植後など、免疫能が低下して感染症にかかりやすく、また、一度かかると治りにくい患者さんが多く通院・入院されていることもあり、感染管理に力を入れています。
病院長の組織する「院内感染制御委員会」を中心に、実働部隊の「院内感染制御チーム(ICT)」、「抗菌薬適正使用支援チーム(AST)」、各部署委員(リンクスタッフ)の集まる「院内感染制御リンクスタッフ連絡委員会」などから成り立っています。ICTを中心に院内全体の感染管理活動を適切に行えるよう、2010年7月に「院内感染管理室」が設置されました。
当院は、感染対策向上加算2を取得しています。院内感染管理者(医師)や感染管理認定看護師(CNIC)を中心に多職種が連携し、組織横断的に活動しています。
感染対策は一人ひとりの行動によって達成されます。当院では「楽しく学ぼう!」をモットーに、職種や雇用形態によらず、すべての職員への教育を重視しています。年2回の全職種対象勉強会のほかにも新人教育や部署別手洗い勉強会などの様々な勉強会を行っています。また、院外勉強会への積極的な参加も推奨しています。
<新入職員を対象とした感染対策研修>
病院で働く職員を感染症から守ることは、感染管理部門の重要な業務の一つです。透析室では血液が飛散する可能性が高いため、当院では以前からB型肝炎ワクチン接種や針刺し対策などの血液媒介感染症対策に力を入れてきました。近年は、流行性ウイルス疾患(麻しん、風しんなど)への対応にも取り組んでいます。
有効であった抗菌薬が効かなくなる薬剤耐性の問題は、国をあげて取り組むべき課題として注目されています。当院でも院内ラウンド、抗菌薬使用状況調査、薬剤耐性菌検出状況調査などを行い、抗菌薬適正使用支援および薬剤耐性菌対策に努めています。
上記以外にも、委員会の開催、感染対策マニュアルの整備、院内環境ラウンド、感染症発生状況の把握・データ分析および情報発信、相談受付、他施設との連携などの様々な活動を行っています。
当院では、「もらわない」「うつさない」を合言葉に職員一丸となって感染対策に取り組んでいます。感染対策は、医療に関わる全ての人の協力が不可欠です。患者さんやご家族にもご協力をお願いすることがあります。