質の高い看護の提供を目指した教育システムを整えています。
クリニカルラダーとは、看護師の実践能力を開発し評価するシステムのひとつです。日本看護協会が示す「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」を標準的指標として活用しています。
4つの力を基盤にした看護実践能力を着実に身につけ、各段階のレベル目標の達成を目指します。クリニカルラダーと連動させた教育プログラムを作成しており、能力開発に必要な研修が受講できる体制を整えています。
クリニカルラダーⅠの開催風景
腎臓病部門として「蛋白尿から移植まで」の全てのCKDステージにおいて、質の高い医療・看護の提供を目指しています。そのため、CKD領域におけるエキスパートスタッフの育成を目的とした「CKD(慢性腎臓病)エキスパートスタッフ養成講座」(2年課程)を開講しています。この講座は、業務として位置づけられており、一部は勤務時間内に実施されています。
当院看護部ではスタッフのスキルアップのため、専門看護師・認定看護師等の資格取得をバックアップしています。通学・勉強に集中し資格取得に専念できるよう、業務から離れる履修期間中も基本給与を支給しています。
また、各スタッフがそれぞれの分野でスキルアップし、能力を発揮できるよう、資格の取得について体制を整える等様々な支援を行っています。
多くのスタッフが資格取得を通じ看護のプロとしての技術・専門性を高め、各部署で活躍しています。
感染管理認定看護師:横井さおり
キャリアアップに向けての理解と支援体制があることは、当院の魅力の一つです。
私は感染管理認定看護師の資格取得のため、この制度を利用しました。時間と給与が保障されているため安心して勉学に集中でき、教育課程を無事修了し、審査に合格することができました。
現在は、院内感染制御チーム(ICT)の一員として、習得した知識と技術を活かし、患者・家族・スタッフを感染から守るための各活動に携わっています。
新型コロナウイルスの流行が始まった際は、手探りながらも全職員と一丸になって助け合いながら積極的に感染対策に取り組み、現在までクラスターの発生なく経過できています。
また、看護部ラダー研修や、全職員を対象とした感染管理講習会の講師を担当する機会を多くいただいています。専門性を活かせる機会として、とてもやりがいを感じています。
透析看護認定看護師:近藤弥生
透析に携わって約25年。様々な患者さんと接するうちに病気を持っていてもその人らしく生きていけるようにサポートしたいと考え、透析看護認定看護師の資格を取得しました。
腎不全という病気は慢性疾患であり、一生付き合っていかなければならない病気です。そのためにその人の人生に寄り添う看護が重要だと考えています。
同じ疾患であっても一人ひとりの体験している病いの状態は同じではありません。これまで辿ってきた人生経験や疾患をどのように捉えているか、今後どのように生きたいかなど
その人の思いを大切にし、その人、家族を含め専門スタッフ(医師、看護師、臨床工学技士、栄養士、薬剤師、理学療法士、ソーシャルワーカー他)と協働してサポートしていきます。
「増子記念病院にきて良かった。」「あなたたちに出会えて良かった。」そう思っていただけるように日々努力を重ねていきたいと思います。
また、各スタッフがそれぞれの分野でスキルアップし、能力を発揮できるよう、体制を整えるなど様々な資格取得を支援しています。
多くのスタッフが資格取得を通じ看護のプロとしての技術・専門性を高め、各部署で活躍しています。
慢性腎臓病療養指導看護師、腎臓病療養指導士、腎臓病療法専門指導士、 透析技術認定士、
日本糖尿病療養指導士、 介護支援専門員、 救急救命士 など
新入職員を対象とした研修プログラムです。
医療安全や感染対策、患者個人情報の保護といった内容から、患者接遇やビジネスマナーといった事柄まで広く学びます。
グループワークの研修では、職員同士でコミュニケーションを取りながら、意見交換する機会を得ることができます。
H22年度より取り組まれている「新卒看護職員研修」は、看護師免許(正・准)を取得後に初めて仕事に就く新卒看護師が対象者です。研修期間の1年間は、あくまで研修者として位置づけられます。実際の業務は、有資格者として責任を持って業務にあたります。
特徴的なのは、配属部署をキーステーションとして、透析室・病棟・外来・手術室・訪問看護ステーションなどほぼ全部署を一通り経験する他部署研修と、チーム医療の推進を目的に他職種の役割を理解するための他部門研修があることです。
毎年多くのスタッフが日本看護協会、愛知県看護協会、愛知県や名古屋市等が主催する各種研修に参加しています。若手から管理者までさまざまなスタッフが参加し、それぞれが看護のプロフェッショナルとしての技術や知識を向上させます。
e-ラーニングシステム「ナーシング・スキル日本版」と「学研ナーシングサポート」を活用しています。インターネット環境があれば職場はもちろんのこと自宅からでもパソコンやタブレット、スマートフォンで手軽にアクセスしいつでも閲覧することができます。
看護手順を確認・習得するための基礎技術習得のテーマから、クリニカルラダーレベルごとの対象テーマまで豊富なコンテンツがあります。動画講義は、クリニカルラダー研修カリキュラムに取り入れたり、医療安全や感染予防、看護補助者研修といった院内全体研修でも活用しています。
全職員を対象として各種能力向上やスキル取得を目的とした、外部講師による研修を年12回程行っています。
研修プログラムの中から、それぞれの職員が自分に合ったテーマの研修を選択受講する形式です。
全部署の職員が対象となるため、他職種のスタッフとの交流の機会を持つこともできます。
<研修テーマ例>
接遇研修、対患者コミュニケーション、他者理解力・対応力、質問話法、チームワーク研修
メンタルヘルス、ストレスマネジメント、アンガーマネジメント、ハラスメント防止、情報セキュリティ、コーチング、プレゼンテーションスキル等
(研修風景:接遇向上研修)
看護師、臨床工学技士、理学療法士、放射線技師、管理栄養士、介護福祉士、事務職員等
さまざまな職種のスタッフが合同で研修を受講します。
グループワークを通じ、学びながら職種を越えたチームの輪が広がります。
看護師国家試験を受験する看護師を支援するために、毎年9月から受験日前日まで毎週受験対策セミナーを実施し受験生を組織として応援するシステムです。受験生も安心して受験に臨むことができ好評です。