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オーバーナイト透析について

当院のオーバーナイト透析

当院のオーバーナイト透析の特徴

当院では2013年3月に1名の患者さんから開始して、2023年4月現在では76名の方がオーバーナイト透析を行っています。
2023年の日本透析医学会の統計調査では透析を7.0時間以上行っている患者さんの数は1213名でした。(日中の長時間透析も含まれています。)
当院は、最も多くの患者さんがオーバーナイト透析を利用している施設の一つです。

当院のオーバーナイト透析患者数と全国比

オーバーナイト透析移行後の変化について

KT/V

透析患者の生命予後に大きく影響する指標です。オーバーナイト透析で大きく改善しました。

ESA製剤投与量

貧血の治療薬です。オーバーナイト透析に移行する事により大幅に減量されました。

リン吸着剤の投与患者数

オーバーナイト透析移行によりリン吸着剤を使用しなくても血清リン値が良好に管理できるようになりました。

オーバーナイト透析の効果

オーバーナイト透析では夜間(睡眠)の時間を利用して透析を行うため、日中の活動に支障をきたさずに透析治療を受けることが可能です。
更に、長時間(6~8時間)の透析を行うことによりさまざまな効果が期待できます。

  • 貧血の改善が期待できます。造血剤(エリスロポエチン)の減量または中止が期待できます。
  • 高血圧や心機能が改善し、降圧剤の減量または中止することが期待できます。
  • 透析中の血圧低下や下肢のつれなどの透析に伴う不快症状の悩みを解消することが期待できます。
  • 透析不足による掻痒感などの悩みを解消することが期待できます。
  • 肌の色艶も良くなり、体調が良くなることが期待できます。
  • 食事制限から解放され食欲と味覚の回復によって、食を楽しめ生活の質の向上が期待できます。
    (暴飲暴食は厳禁です。特にカリウムには注意が必要です。)
  • 内服薬の減量、日中活動量の増加を期待できます。
  • 仕事は時間短縮することなく、続けることが可能です。

  • 貧血の改善

  • 高血圧・心機能の改善

  • 透析に伴う
    様々な症状の解消

  • 食事制限から解放

  • 内服薬の減量

  • 活動量を増加させ、
    制限なく仕事が可能

オーバーナイト透析の適応基準と実際の流れ

適応基準

「社会的適応基準」

  • 原則、 65 歳以下で就業または就学している。
  • 病院および深夜長時間透析の規律が遵守でき、迷惑行為、暴言がない 。

「医学的適応基準」

  • 心電図検査において致死的不整脈がない。
  • 冠動脈疾患や脳血管疾患の既往があっても、現在症状がなく落ち着いている。
  • 心エコー所見において壁運動異常がなく、 EF(駆出率)≧45%である。
  • 明らかな中等度以上の弁膜症を有していない。
  • 血液透析導入期指導が完了している。(完了までに一ヶ月程要します。)
  • 血液透析に必要な自己管理がしっかりできている。
  • 穿刺トラブルがなく容易である。
    (同一部位ピンポイント穿刺、ボタンホール穿刺は適応外)
  • 医師の診療、指示に従うことができる。

※適応基準(年齢以外の)については、深夜長時間透析へ移行後も適応基準から外れた場合は、離脱の対象となります。

オーバーナイト透析移行までの流れ

通常、オーバーナイト透析移行に際し、2ヶ月程度要する場合がありますのでご了承ください。

  1. 他院から転院をご希望の患者さんには、転院後、当院のシステムに慣れて頂くため、しばらくは通常シフト(朝・昼・夜)で透析して頂きます。
  2. 「1」の間に審査に必要な心エコー・心電図等の各種検査を受けて頂きます(平日・日中の来院が必要です)。
  3. すべての検査結果が揃ったら、当院の適応基準に基づき審査を行います。
  4. 審査に通過しましたら、担当医師よりオーバーナイト透析でのスケジュールやルール等の具体的な説明を行い、同意を頂きましたらオーバーナイト透析へ移行となります。

タイムスケジュール

20:30 入室
シャワー室をご用意しています。譲り合ってご使用ください。
食事をされる方は、待合室またはベッド上でお願いします。
入室が22:00を超える場合は、事前にご連絡ください。
21:30 透析開始
透析中は抜針センサーを使用します。(ニプロ社製見針絆®)
0:00 消灯
就寝中は変化がなければ、血圧測定は行わず1時間毎に巡視を行います。
5:30 透析終了
6:00~7:30 退室時間