病院で診断・治療の為に行う検査を『臨床検査』といい、患者さんの身体の構造や機能の様々な情報を
調べています。当課では、以下の二つの検査を行っています。
この部門では、栄養状態や肝機能、腎機能等を調べます。
基準値はこちらをご参照ください。
この部門では、肝炎、腫瘍、梅毒等のマーカーを測定したり、代謝の要となる甲状腺ホルモンを測定したりすることで、病態の変動をみます。
また、腎炎・皮膚炎・移植後拒絶反応を抑える薬剤の血液中の濃度を調べます。
この部門では、血液学検査、凝固機能検査、輸血検査を行っています。
手術や消化管出血、またはその他の病気(腎性貧血など)により貧血を起こしてしまうことがあります。また、体のどこかで炎症が起きると血液中の白血球が増えて防御するしくみが備わっています。
そのような状態の時、何が、どの程度増えたり減ったりしているのかを調べて的確な治療する必要があります。
基準値はこちらをご参照ください。
血小板とともに体の内外のキズからの出血を止める働きをする凝固因子を測定し、十分止血する能力があるかを調べます。手術前には必ず実施し、止血能力を確認します。
また、ワーファリン服用中の薬のコントロールにも使用されます。
出血や貧血の程度が著しい時、輸血をすることにより症状が改善する場合があります。
その際、種々の血液型(代表的なものはABO式血液型、Rh式血液型)が一致しない血液を輸血すると体内の血液と反応し、最悪は死に至ることもあります。
そのようなことが起こらないように、事前に輸血を受ける方の血液と輸血する血液の一部を試験管内で混合し、異常反応がないことの確認試験を行っています。
この部門では、尿検査、便潜血検査、各種感染症簡易検査を行っています。
尿中の成分を検査することにより糖尿病、腎臓・尿路系疾患などの診断に役立ちます。
尿検査は排尿するだけで、基礎的疾患の診断に役立ちますが、正しい方法で採尿しないと正確な結果が得られない為注意が必要です。
尿を遠心沈殿させ、得られた有形成分を顕微鏡で見る検査です。
赤血球、白血球、上皮細胞などの蛋白物質、真菌(かび)や細菌などの微生物、結晶成分を鑑別し、腎臓や尿路系の病気の状態を把握する検査です。
便潜血検査は主に大腸がんの診断に役立つ検査です。
便から擦り取ったものを検体としているため、擦り取った場所に血液が付着しているかどうかで結果に差異が生じます。
食事の影響を受けないため、検査前には特に食事制限はありません。
生理検査室では、12誘導心電図、負荷心電図、24時間心電図、心臓超音波検査、24時間血圧測定、肺機能検査、血圧脈波検査、筋電図検査、聴性脳幹反応検査(ABR検査)を行っています。
両手首、両足首にそれぞれ1個ずつ、胸に6個、合計10個の電極を装着して行う検査です。検査は、数分です。
心筋梗塞、狭心症、不整脈、心肥大、その他の心疾患の疑いがわかります。
運動中の胸痛、不整脈などの症状があるときに行われます。不整脈、狭心症などが判ります。
1分半もしくは3分間、検査専用の階段を昇り降りし、昇り降りする前と後の心電図を記録・比較します。
心電図の電極を装着した状態で、循環器医師立ち会いのもと、心電図と血圧をモニターしながら自転車をこぎます。自転車のペダルがだんだん重くなっていきます。
目標心拍数に達したり、血圧が上昇したり等、終了基準に達したら検査終了です。
胸に5個の電極を貼り、小さな機械(120~140g)を装着したまま、普段と変わらない生活(入浴は不可)で1日を過ごしていただきます。
この検査により、12誘導心電図では見つけることができない心疾患や不整脈を見つけることができます。
胸に超音波を発する機械を当て、心臓の大きさ・動き・血液の流れを確認します。この検査では主に心不全・心臓弁膜症・心筋梗塞などさまざまな病態を確認することができます。
検査時間は30分程度です。良質な画像を得るために必要に応じて数秒程度の息止めの協力をお願いすることがあります。
超音波を利用するため、身体に害を及ぼすことはありません。
上腕に血圧計、腰に小さな機械(500g)を装着し、普段と変わらない生活をすることにより、普段の血圧測定では見つけることの出来ない『高血圧』を見つけることが出来ます。
仮面高血圧とは、通常時は正常血圧のように見えて、気の付かないところで高血圧状態になっている病態であり、正常血圧がまるで仮面をつけているように見えるということから仮面高血圧といわれています。つまり、診察室や検診で測ると正常なのに、家庭で測ると高血圧という状態を言います。仮面高血圧には以下のようなものがあります。
口でマウスピースをくわえ、鼻をノーズクリップで挟み検査を行います。大きく吸ったり吐いたり、一気に吐いたりして、肺活量や換気量を調べます。患者さんの協力が必要な検査です。
呼吸器の異常の有無を調べる他、麻酔を使用する手術前にも行います。
肺の病気(肺気腫、気管支喘息、肺線維症、肺結核 など)が判ります。
測定項目は、CAVI(血管の硬さ)、ABI(血管の詰まり)、血管年齢です。 血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。検査時間は、準備を含めて10分程度で検査できます。
ベッドに横になり、心音図、手足の血圧測定を行います。
大動脈を含む「心臓(Cardio)から足首(Ankle)まで」の動脈(Vascular)の硬さを反映する指標(Index)で、動脈硬化が進行するほど高い値となります。大動脈の進展性の低下は心疾患の発症や予後を規定する因子となることが知られており、早期診断と管理に役立ちます。
CAVIは、頚動脈エコー等で測定されるスティフネスパラメータβ法に基づき算出され、血圧に依存しない血管固有の硬さを表します。
足首上腕血圧比で、下肢動脈の狭窄・閉塞を評価する指標です。
上腕と足首の血圧から算出されます。
足の血管が詰まりかけている閉塞性動脈硬化症 (Arteriosclerosis Obliterans:ASO) の早期発見に有用です。
手や足のしびれや、力が入らないといった症状がある際に、その原因を探るための検査方法の一つです。検査では、手や足を電気で刺激する方法、または筋肉に針の電極を刺す方法で、その反応をみます。
神経疾患や筋疾患などの病気を診断し、治療を行います。
筋肉が興奮する時の電気が伝わる速度を測定し、末梢神経に問題があるのかどうかを調べます。
ベッドに横になり、手や足を電気で刺激します。
筋肉が興奮するときの筋の電気的活動を調べることにより、動けと命令する神経に問題があるのか、命令に従う筋肉に問題があるのかを調べます。
ベッドに横になり、筋肉に針を刺して、力を入れたり抜いたりして、筋肉の活動を調べます。
ヘッドホンから聞こえてくる「カチカチ」という音を聞いていただき、誘発される脳波を測定する検査です。聴神経や脳幹の機能を見る検査になります。
睡眠時無呼吸に対する検査を実施しています。
詳細は、『診療案内 特殊外来 睡眠・いびき外来』参照。